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ヒナタの闘病生活を振り返る

事細かく書く事を躊躇ったヒナタの闘病期間中の事を一度まとめておかないとと思って書き始めたのは去年のお盆。 何度か書き直して今日に至りました。 長くなるのでお時間のある方はどうぞ。



ヒナタの腋の下のリンパ節の腫れに気付いたのは去年のクリスマス前。 でもヒナタはヒート中だったので年が明けて病院へ行くつもりでいたら元旦に口の周りに変化が。
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この下顎のたるみは何?と。 翌朝には少し戻っていたので安心したらまた夕方には同じように。 結局3日には自然に戻って何だったのかな?と思いながら写真を持ってリンパ節の腫れを診てもらいに病院が始まるのを待って5日に行く。 その日の様子はこちらで。 歯のせいなのかな?という気持ちもあって抗生剤で様子を見るが腫れが引かないので下旬に細胞診をして結果がわかったのが29日。 次の日の記事がこちら
そして2月4日に点滴の抗がん剤を使わない場合の治療方針のプランをもらって来る。 この時は抗がん剤を使う事への強い抵抗があり、治らないのに延命する事の意味があるのかと先生に聞いている。 先生は治癒はないけどリンパ腫が抗がん剤がよく効くガンであり、効いている間は普通の生活が出来る事を説明してくれて2月中か3月の始めには1回目の治療をした方が良いと言った。
だけどリンパ腫で助からないという事を受け入れられない私は違う見方がないものかと検索をして手作り食の本を沢山書いているS動物病院のサイトに行き当たる。 そこのサプリメントと歯のケアを始めた2月。 ヒナタは大人しく朝夕2回のケアをやらせてくれて歯石の改善が見られた。 残念ながら写真はないがへそ天に抱っこされてとってもいいコだったよ。 ぼんぼーのママさんからハーブのケアもサポートしてもらう。 でも少しずつ元気のない日が見られるようになり3月には夜寝てからの努力呼吸が始まる。 ゆっくり眠れない日が続き不安と苦しそうなヒナタを見ている辛さでこの時期が精神的には最も辛かった。 医学的には鉄板の抗がん剤治療をしないで見送っていいのか毎日自問自答だった。 コントロールが上手くいって2年生きたコもいると聞けば心は揺れる。
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3月20日、初めてヒナタと行ったブラウブリッツの練習場で。 サングラスでカバーしようにも疲れがわかるマンマだけどこの時には最後のツーショットになるかもと思っていた。 そして23日には今まで非公開設定にしていた最短の散歩に至る。 ヒナタが散歩に歩けないという現実に大きなショックを受ける。 この時でもゆっくりながらご飯は食べていたので食べている以上はヒナタは生きる気力があるのだからとパパさんと相談してとにかく呼吸を楽にしてあげようと29日に治療に踏み切る。 ロイナーゼという注射で背中から皮下でゆっくり入れる。 この日の心境も非公開設定にしてあったのでこちらで。 この注射の効き目は恐ろしいぐらいで翌日には見た目にわかる程元気が戻っていた。 その様子もこちらで。 31日にはまさかのサポ犬まで。 この頃は喜ぶと同時に言葉通りに恐ろしかった。 この後1月に1回の内服薬を服用させていく。 この内服薬は3週間後に免疫力がガクッと落ちてそれが1週間ぐらい続くのでその間の感染症などに注意が必要。 ロムスチンというこの薬は高価な薬らしいがヒナタの行っている獣医さんは個人輸入しているという事で価格は安かった。(これは後日わかるが海外の薬という事でペット保険は適用外だった。)
抗がん剤を使う前に抗がん剤を使う事で癌が凶暴化するという見方があり(人の癌治療の様々な考え方の中に)私としては余命の長さよりヒナタの生活の質、はっきり言えば苦しみを少なく旅立ちを迎えさせたいと獣医さんに相談した。 先生は癌は残念ながら抗がん剤を使う使わないに関係なく時間の経過で凶暴化するし最期はやはり苦しむ事が多い。 だからその苦しみの長さによっては安楽死も頭の片隅には置いておきましょうと。 そして治療法を決めた時に「選んだ事はそれ以外の選択肢は無かったと思って後でグラグラしないように。何を選んだにしてもそうなる事が一番良くない。」と。 過去を悔やまず未来を恐れず今出来る事を淡々とを心がけて一心に過ごした。
そうは言っても本当にこれで良かったのか?と思わなかったかと言えば嘘になる。 ただ抗がん剤治療をして効果が良かった時期の4月、5月、6月の上旬の出来事を思い出す時、その時間がなくても良かったとは思えない。
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これは写真の管理に使っているiPhotoというソフトの画面。 イベント毎の写真が月日で一覧出来る。 その日の一枚の写真を見ても楽しかった日々がわかるよね? ヒナタは病気だなんて忘れてしまうぐらい以前と同じく元気にお出かけを楽しんだ。 犬にとっての3ヶ月という時間は決して短くはない。 今振返ってもあの時間は宝物だった。 そして本当はもっと長く続くものと思っていた。 薬の効き目がいいのでこれならお正月とかは考えてもいいのかな?と先生も言っていたぐらいだったのに。 結局喉元からの出血という今となっても原因がわからない症状が始まってからは走りながら考えるとしか言えない状況の中で迷う暇もなかった。 その間の治療でのヒナタの頑張りは獣医さんが感心したぐらい。 ドレーンを入れてからの毎朝毎晩の消毒の通院もまるでお出かけする時のように進んで車に乗り込み、待ち時間には病院の周囲を散歩し、順番を待っている時には外でおやつを使ってコマンドのトレーニングも。 ヒナタが一番得意の「だ〜れ?」をやりたがりドレーンの付いた首を90度回すので焦ったり。 ここでもしっかりヒナタ組だったよ。 治療中は辛いだけではなく今思い返しても本当にかけがえのない時間だった。

喉元の出血が始まるまではS動物病院の電話相談や写真診断などからの治療も同時に続けていた。
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インターネットの検索で別に購入したオムロンのメッシュ式ネブライザ(喘息の治療などで知っている方もいるかと)で
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こんな風に使用。(見易いように逆さまになっていますが角度はこうではありません) ヒナタに合わせた漢方薬を転写した水を生理食塩水に滴下して鼻から吸入させる。 ヒナタがよくやらせたと思いませんか? 最初はシューと出るところを遠くで見せて何だろう?と興味を持たせ、次に私が実際にやって見せ、抱っこして交互に楽しく(笑)やる。 それでOK。 これは一緒に暮らす動物全てがやらないといけなくて私もパパさんも一日に一度やっていた。 あとは室内の除菌も。 結果は治らなかったんだから効かなかったんでしょ?と言われるかと思うけど、それをもって否定する気持ちには実はならない。 多分実際に通院して診てもらうとしたらまた違った事があったかもしれないから。 そして歯のケアで口腔内の改善はあったし何より何か自分でも出来るという事がその頃は大事だったから。 
こういった特殊な治療(例えばホリスティックな治療など)をする場合、いざという時に本当にそれをやりたいと思ったらやっぱり大事なのは健康なうちからそういう病院に行くしかないという事。 その点で実際無理だったと思う。 動物病院の治療とは言ってもペット保険の適用外でもあるし仮に病院へ直接行ったとしても(首都圏)通院は無理だし。

長々と書いたけど結論を言えばウチの場合は副作用のない抗がん剤治療を途中からでもして良かったと思っている。 それをせずに看取ったら今頃もっと辛かっただろうと。 やはり獣医さんともよく相談して受け入れる事が出来たのは大きい。 ウチの獣医さん、設備その他は整っているとは言えないかもだけど人間力があるのでヒナタの事も私の話もよく聞いて一緒になって導いてくれたと感謝しています。
そしてヒナタ。
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「マンマ、これが撮りたかったんだよね〜?良かったね。」って思いもよらないシーンを用意してくれ多分失ってからも私の後悔がないようにと精一杯生きた時間を抗がん剤治療中にも残してくれたんだよね?
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これ全部が治療中の4〜6月のなんだよ? 間違いなく一緒に生きたよね、ヒナタ組。

ヒナタの後にも多くのお友達ワンコがこの世を去った。 その時々に思ったのはそのお家の状況に合わせているかのようだったワンコ達の去り際。 例えばウチのような自営業で時間にある程度融通が利く家だと闘病期間が長めだったり、ご夫婦二人ともフルタイムでお勤めで時間的に厳しいと長患いせずにあっという間に逝ってしまったり。 介護の準備万端の気持ちでいたのにあっけなく旅立ったコの時は一緒に暮らす妹犬に時間を残してあげたのかもと思ったり。
後付けなら何とでも言えると思うかも知れないけど案外ワンコはその時を選んでいるように思えてならない。 そしてそれで少しでも気が楽になるならそう思った方がいいとも思う。
お盆に書き始め何度も書き直して今日まとめる気になってふと思ったのは「愛とは決して後悔しない事」というあの映画「ある愛の詩」のセリフ。 そうだよね、ヒナタ。   

  
by smilingtail | 2014-01-30 23:06 | | Comments(8)
Commented by ラブパパ at 2014-02-01 00:04 x
 記事を「うんうん」言いながら読ませていただきました。

 1年前の私は休日の度にご利益のある山にラブと登って、姐さんに届けとパワーを送っていました。

 いろいろな悩みや葛藤、悲しさや苦しさもあったと思います。でもそればっかりじゃなかったし、ブログのヒナちゃんはずっと笑っていたし、マンマさんの中でこの記事がまとまり、答えが出た時がこの日だったのもまた彼女からのメッセージなのかもしれませんね「異議なしヨ、マンマ!」っていう。

 そして明日は1日でしょ~、繊細さというかマメさがにじみ出てるゾ姐さん♪

 ちなみに私の職場のデスクには今回UPされているヒナちゃんの4~6月の写真を飾っています。そこからよく指令がきます(笑)!
Commented by kettymama at 2014-02-01 00:05 x
ヒナタちゃんの闘病中のお写真は、きっとそうと聞いていないと誰もが「元気いっぱいの子」と思うでしょうね。
それくらい、ヒナタちゃんの笑顔が光を放っているように思います。
桜の花びらの上で腹這いのヒナちゃんの笑顔は、本当にマンマさんに精一杯喜んで欲しくて〜!って。
「あたし、幸せよ〜」って、それがヒナタちゃんの喜びでもあったのでしょうね。

最後を看取ると言う事は、迷い、戸惑いながら、それでも、この子にとって何が一番なんだろうと必死で模索しながら
葛藤しながらなのでしょうね。
誰にでも訪れるその時、私はマンマさんのように看取れるだろうか?と不安になりますが、
そんな事を言っていちゃいけないのですよね。

「愛とは決して後悔しないこと」これって、ヒナタからマンマさんに向けられた言葉だとも思いました。
互いにそう思えるヒナタ組★
「そうだよ〜♪」ってヒナタちゃんが言ってるね、きっと!
Commented by smilingtail at 2014-02-01 16:23
ラブパパさん
応援してもらっているのは感じていてありがたかったです。
あまり事細かな事は知って頂くと負担になる気がしてブログでは控えていたんです。 情報も沢山ある中でどれをと思う気持ちもあって葛藤はありましたが、私は現実的な人間なのでこれを取ったらあれは取れないというのも理解していたし、その結果も受け入れていたつもりです。 とは言っても今思い出すともう二度とあんな事はやれないとも思ったりしますが。
何よりもヒナタがくれたあの3ヶ月近い元気な時を精一杯一緒に楽しめたのが今を支えてくれています。 闘病中も健気に頑張ってくれたし大した姐さんだったなと。
シャッフルプリントの写真を飾ってくれている人が結構いるみたいで嬉しいです。 しかも指令まできますか! どんだけエネルギッシュなんだろう、ヒナちゃん。(笑)
Commented by smilingtail at 2014-02-01 16:41
kettymamaさん
こんなに元気にしてたんですからね。 長さじゃないと思っています。 まるで自分の寿命を知っているかのように、それを受け入れているかのように充分に味わったような気がします。 楽しい事がいっぱいで私も惜しみなく一緒に楽しんだなと。
ずっとタイミングが悪くて撮れずにいた八重桜の絨毯との写真を狙わずして撮れて、ヒナタは持っているなぁと思わずにいられませんでした。 ず〜っとカメラのファインダー越しに笑顔で私を見つめてくれたコです。 八重桜はご褒美でしたね。
自分だったらどうしたいかと考えて最善の方法をと求めました。 抗がん剤は本当に迷った末でしたが選んだ後はこれしかなかったと思おうとしたし、あれだけ素晴らしい時間をもらったのだから後悔はありません。 多分ヒナタも受け入れてくれていたと思います。
今思い返すと私もこれからまた出来るかと聞かれると自信がないですよ。 でもその時には必死なので大丈夫出来ます、きっと。 このまとめも自分のためというのもありますが誰かの手助けになるようにと思って書きました。 もちろんケースバイケースではありますけどね。 闘病期間って悲しい事だけじゃないと伝えたいです。 
Commented by ピーチまま at 2014-02-01 17:04 x
泣いてしまいました。一生懸命生きたものね。
後付けでも、何でも、消えてしまった命が再び輝くのならば、どんな解釈でもつけて、心の中で光らせていてあげたい。いつまでも感じていたい。そう願っています。

闘病の選択には、正しかったのか、間違っていたのか、いつまでも悩みますよね。私も抱えたままの思いがあります。
だけど、今感じることは、選んだ選択は、ピーチが望んで選ばせたのではないか?いつまでも抱えたままでいる事も、望まれているのかも?
そう思うと、抱えた思いも軽くなり、それも愛のように感じます。(*^。^*)
わかりやすいベタな愛だけをくれる子じゃなかったものな~と思うと、納得してしまう母なのでした(^_^;)なんかヒナタちゃんも同じ匂いを感じます・・
Commented by smilingtail at 2014-02-01 22:25
ピーチままさん
ママさんもきっと選択で悩まれたんですね。 まだ言葉にできないと書いてらしたから。 闘病期間が長いとさよならをいっぱい言いたかったのねと言ったりしますが、逆に短いとお母さんを苦しませたくなかったのかもと。 そのどちらも本当なんじゃないかなと思います。 お空に行かなくちゃいけないと知ってからそのコなりのベストなタイミングを考えているんじゃないかな。 
治療をどうするかというのは決めたらもう一つの道は経験出来ないじゃないですか? だから結果もわからない。 現実的には正しいも間違っているもないのかなと思います。 
抱えたままでいる事もピーチちゃんが望んでいるのかもというのはニュアンスでわかります。 ヒナタも泣かないでという風には伝えてこなくてそれも含めて大丈夫だよ〜っていう感じです。 大きな愛を感じますね。 いつの間にか小さなあのコからハグされているみたい。(汗)
ピーチちゃんとヒナタ、お空で仲良しかも知れませんね〜。
Commented by クールパパヤ at 2014-02-01 22:45 x
アベノミクスのお蔭か? 業務多忙過ぎでなかなかお伺い出来ませんが、休日出勤から帰宅して拝見させて頂きましたところ、不覚にも鬼の目にも(?)一筋の涙が...
最早酩酊状態で訳分からずですが、明朝はヒナタちゃんの分もお散歩して来ます!
Commented by smilingtail at 2014-02-01 23:04
クールパパヤさん
お忙しいみたいですね〜。 羨ましいです。 秋田はまだまだ不景気ですから〜。(汗)
せっかく見て頂いたそんな時に楽しい記事じゃなくてごめんなさい。 一度まとめておかないとと思ってね。
明日のお散歩ヒナタの分もしてくれるんですね。 ありがとうございます〜。 ヒナタがいれば吹雪だろうと散歩していたのですっかり身体がなまっていて大変です。(汗) 私こそ歩かないとですね。
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